ユネスコ未来遺産海南市孟子不動谷を事例とした持続可能な生態系モニタリングシステムモデルの構築
旭硝子財団フィールド助成をいただきました。ありがとうございます。和歌山着任以来お世話になっている現場での地道な研究です。
【研究概要】
2000年前後から日本各地で里山生態系保全団体が活動しているが、その活動メンバーの持続性と科学的なデータ蓄積に問題を抱えている。メンバーは高齢化して新規リーダーの育成も進まず、生き物が好きだが戦略的なモニタリングをしていないため、団体の活動終了と共にその実績が散逸し、日本全国の里山のボトムアップモニタリングが進まない原因となっている。本研究では、スター性のあるシンボル種はいないものの普遍性が高く、既存の制度を活用駆使して現在まで苦心して持続してきた海南市孟子不動谷を事例として、新型無線ネットワークも活用した生態系モニタリングの効率化と、それにより生まれるエフォート余力も用いて人による観察が不可欠な生物調査を絞り込み、将来の生態系管理の担い手ネットワークの育成につなげ、日本全国の里地里山生態系の戦略的な市民科学モニタリングの一歩とするものである。