農地を開拓する際、また住宅団地を造成する際、必ずや大なり小なり原地形の改変行為が伴うものです。そのパターンは多様です。例えば、丘陵地の宅地開発現場では、オンサイトな切盛改変が主流です。しかし、大陸デルタでは、遥々上流部から砂材を運んできて、低湿地を埋め立てなくてはなりません。眼前にある新興住宅地からは想像もできない遠いところで、土を採るために山が無くなっているかもしれないのです。
こうした地形改変の多様性は、地質条件やコストパフォーマンスなど、種々の要因に規定されています。これまでの土地利用研究は、「静的」だったように思います。つまり、地形改変行為および付随する土建材の流れが、それ程検証されてきませんでした。一方で、マテリアルフロー研究では、統計情報に依拠するため、空間投影が難しくなります。
ある地域を対象に、都市化に伴う土地利用変化および地形改変を把握し、さらには土建材のフローを追跡することで、「土の流れ」がつなぐ階層的な土地利用・景観構造が見えてきます。さらには、土地開発に伴うエネルギー消費量についても考究しています。
キーワード:地形改変、土建材フロー、土地利用、農地開拓、宅地開発